2016年に、トルコのアンタルヤでアンタルヤ国際園芸博覧会が開催されました。

国際園芸博覧会は、オランダはハーグにある国際園芸家協会に認定された博覧会のことです。各国・地域の代表が参加するレベルか、国際性のあるものかによりA類、B類の2種に分けられ、さらに、規模、会期などにより計4種に分けられます。

アンタルヤ国際園芸博覧会は、この中でも最大規模のA1カテゴリーの博覧会です。日本では、1990年に大阪で、アジアで初となるA1カテゴリーの国際園芸博覧会「国際花と緑の博覧会」(EXPO’90)が開催されました。

 

アンタルヤってどんなところ?

開催地となったアンタルヤは、トルコ南部に位置する街です。

地中海性気候で冬でも暖かく、年間約300日は晴れの日という、トルコでも屈指のリゾート地で、ヨーロッパを中心に多くの観光客が訪れます。光景も、日本でトルコというと想像されるイスタンブールやカッパドキアとは全く異なり、真っ青な水をたたえ、港やビーチが連なる地中海で、クルーズやマリンスポーツを楽しむことができます。

街の歴史は古く、ローマ帝国からオスマン帝国までの、数々の国の面影を残す街並も魅力です。

 

アンタルヤ国際園芸博覧会の概要

アンタルヤ国際園芸博覧会は、トルコで初めて開催された国際園芸博覧会です。「花と子供達〜将来世代のための緑豊かな暮らしを拓く」をテーマに、トルコの子供の日である2016年4月23日から10月30日までの191日間に渡って開催され、約450万人もの来場者が訪れました。うち、29%はトルコ国外からの来場者です。

 

会場の様子

会場となったのは、アンタルヤのアクス地区、空の玄関口であるアンタルヤ国際空港近くの約112ヘクタール(東京ドーム約23個分)の土地です。

会場の中には様々な建物が建築されましたが、中でもひときわ目を引くのが、メインランドマークであるアンタルヤEXPOタワーです。高さ96メートルのこの塔は、アンタルヤ旧市街の入り口を飾るハドリアヌス門とヤシの木をイメージして設計されました。手前には75,000m2のEXPO湖が広がっています。麦の穂をイメージして作られた建物が印象的な農業・生物多様性の博物館では、トルコの1万2,000年にも及ぶ農業の歴史をたどることができます。他にも、合計約9,500人収容可能なコンベンションセンター、大小2つの円形劇場、トルコの建築様式を再現したレストランなどが設けられました。

期間中、湖での光と水のショーや、演劇、トルコ内外のアーティストによるコンサートなど、イベントも数多く開催され、その数は13,000超。

テーマにならい、子供達がワークショップやアクティビティを通して楽しみながら学ぶことのできる「子供の島」や広場も充実。また、都市における生物多様性、持続可能性、緑化に向けての革新的な取り組みを紹介するエリアが設けられたのも特徴です。

さらに、数としては大阪での花博に次ぐ54の国、地域が参加し、各国の庭や園芸に関する展示を行いました。

国際的な園芸の祭典にふさわしく、2万6,000本の木々、300万の花々に数百種の灌木やサボテン、水生植物などが会場を彩りました。

 

アンタルヤ国際園芸博覧会のシンボル

国土面積世界37位(日本は67位)、東西に長く多様な自然を誇るトルコは、豊かな固有種を有しています。本博覧会では、その中でも、アンタルヤ県、デニズリ県、ブルドゥル県の高山地帯で見られるシャクヤク(英語名:Paeonia Turcica)がシンボルとして選ばれました。アンタルヤ県にはシャクヤクの保護区が約4万m2設けられており、期間中は保護区を訪れ、赤紫色の可憐な花を楽しむことができました。

 

期間中、トルコでは多くの死者を出したクーデター未遂事件や、イスタンブールの国際空港でのテロなどがありましたが、アンタルヤ国際園芸博覧会には多くの国からの来場者が訪れ、賑わいを見せました。

会場の各施設は、国際的な協力の促進、農業問題対策に関する知見共有、環境問題への意識向上のための技術・訓練の場として使われることが、閉幕時の声明で規定されています。